根本的な解決策はあるのか

しかし、先述のような措置が機能するのは、戦争がこれ以上激化しない場合に限られる上、根本的な解決にはならない。

CAPによれば、長期的視点に立てば、トランプ政権は自らが生んだ損害を元に戻すことができる。トランプ政権は電気自動車向けの連邦補助金を廃止し、自動車の燃費効率基準を無効化した。これらの政策によって、2035年までにガソリンコストを1ガロン当たり25セントから37セント押し上げ、アメリカ国民が3390億ドルを追加で支払わされることになる。

またCAPは、政権は新たな液化天然ガス輸出施設の認可を見直すべきだと主張する。こうした施設が増えると、国内の天然ガスが海外にも輸出されるようになり、価格が世界市場と連動するため、米国内のガス価格が上昇するからだ。

米財務省も価格上昇に対抗するため、原油先物をめぐる措置の可能性を検討しているとの報道もある。しかし取引所のトップらは、政府による介入に警告を発している。世界最大のデリバティブ取引所であるCMEグループの最高経営責任者テリー・ダフィーは「政府が原油価格に介入することを市場は好まない」と述べている。また、米財務省の介入は、エネルギー価格が上昇し続けた場合に政府が巨額の損失を被るリスクを高め、問題を悪化させるおそれがあると警鐘を鳴らす者もいる。

カナダの主要な金融取引所を運営するTMXグループのジョン・マッケンジーCEOは「政府による介入はたいてい、意図せぬ結果を招く。最初の問題を解決しようとして、別の問題を生み出すのだ。市場の仕組みに任せれば、いずれ価格は自然に落ち着くだろう」

イムシロビッチもソ連崩壊を例に出し、「価格は市場の状況を示す情報である。それを人為的に押さえ込むことはできない」と、こうした懸念に同調した。

「政府による価格統制や、先物市場への介入は、かつてソ連で共産主義者たちが行ったことである。それらはソ連経済崩壊の引き金を引いた。(これらの政策で)価格を下げることはできるかもしれない。だが、価格を下げることはできるかもしれない。だがそうすると、人々はその価格を信用しなくなり、価格を基準にして将来の価格変動のリスクを抑えることもできなくなる。つまり二重の損害を受けることになる。しかし、戦争をやめれば、物事はいずれ正常に戻る。それだけの話だ」

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