政治学にはもう1つ、「党派性に動機付けられた推論」という概念もある。特に共和党と民主党が激しく対立する分極化の時代には、有権者は支持する政党のためなら従来のイデオロギー的価値観を喜んで捨てるという仮説だ。
そして政治学に基づく第3の説明として「2つの大統領」理論が挙げられる。外交と内政では大統領の政治的立場や権限の働き方が異なり、あたかもアメリカには「2人の大統領」がいるかのように見えるという考え方だ。この理論によれば、有権者は自分の知識が乏しい外交問題については大統領に任せる傾向が強い。
もっとも一部のMAGA派の有名人は、トランプの決定を異例なほど強く非難している。インフルエンサーのニック・フエンテスは、「MAGA運動は死んだ」と主張。何百万人ものフォロワーに対し、中間選挙で共和党に投票しないよう呼びかけた。
マージョリー・テイラー・グリーン元下院議員は、MAGAは「イスラエル・ファーストではなくアメリカ・ファースト」のはずだと発言。MAGAの最重要人物というべき元FOX司会者タッカー・カールソンは、今回の攻撃を「圧倒的嫌悪感を抱かせる邪悪なもの」とまで表現した。
対イラン強硬派のルビオ国務長官は、こうした大物たちの怒りにさらなる燃料を投下した。先制攻撃したのはイスラエルが戦争を始めるつもりだったからだと、アメリカが巻き込まれた可能性を示唆したのだ。