<アマゾンを襲う嵐の間隙を縫って着陸のタイミングを図るパイロット。製造から80年が経過した輸送機DC-3が生活必需品や住民を運び、現地の生活を支えているが、気候変動によって運航はますます困難になってきている>

南米コロンビア南東部のグアイニア、バウペス、アマゾナス県といったアマゾンの辺境地域では、旧型の輸送機が都市部とこれらの地域とを結ぶ重要な「架け橋」になっている。使用されている2機のダグラスDC-3は第2次大戦時に活躍した機体で、製造から80年が経過している。 

地上では地元住民らが、航空機が運んでくる食料、医薬品、ワクチン、燃料、発電機の到着を1週間待ちわびている。都市部の病院に通う患者や大学へ進学する若者などにとっても不可欠な「足」だ。

1950年代には、この機体がアマゾン地域の地図の作成や生物多様性の調査などに貢献した。コロンビア政府は2機の老朽化に伴い代替機の導入を検討しているが、辺境地域では飛行場の近代化が進んでおらず、最新型の機種では着陸ができない。

とはいえ気候変動による降雨と洪水の増加で河川の利用も困難で、辺境地域の暮らしはますます空路に頼らざるを得なくなっている。アマゾンの地域社会の存続は、いまだに前世紀の技術に依存しているのが現実だ。

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Photographs by Lucas Barioulet

撮影:ルーカス・バリウレ 

フランス人フォトジャーナリスト。米仏の大学でジャーナリズムを学び、2016〜18年、仏ル・パリジャン紙、AFP通信などに勤務後、フリーに。ロシア、パキスタンなどを精力的に取材し、欧州主要誌に発表。22年はウクライナ戦争、23年以降はガザ紛争を主に撮影している。パリ在住で、仏ル・モンド紙寄稿者

【連載第1017回】Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」2026年2月17日号掲載

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