<生涯累積の妊娠・授乳期間の長さと閉経後の認知機能に関連性があることが明らかに>


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応用研究に大きな期待

出産後に多くの新米ママが頭がボーッとして物忘れがひどくなる「マミーブレイン」と呼ばれる症状になることが知られているが、新しい研究で意外な事実が分かった。マミーブレインをもたらすとみられている妊娠・授乳経験は、何十年も後の閉経後には認知能力の維持に役立つ可能性があるのだ。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のモリー・フォックス准教授(生物人類学)率いるチームの分析で、生涯累積の妊娠・授乳期間の長さと老後の総合的な認知機能および言語・視覚記憶の維持には関連性があることが示された(研究の一部は米国立衛生研究所による助成)。

フォックスらは全米規模の調査である「女性の健康イニシアチブ記憶研究」と「女性の健康イニシアチブ認知機能の老化研究」に参加した70歳前後の7000人超の女性のデータを分析した。2つの調査の参加者は最長13年にわたり年に1度認知機能テストを受け、妊娠出産経験について詳細な聞き取りを受けている。

女性は男性よりアルツハイマー病の発症リスクが高いが、女性のほうが平均寿命が長いことではこの差は十分に説明できない。脳の老化と妊娠出産経験の関連性はあまり調べられておらず、フォックスらはそこに着目して分析した。

応用研究に大きな期待