日本が危険なわけがない──と笑い飛ばしていたはずだ

興味深いのは当初、中国人が一斉に日本を批判したのに対し、一部の台湾ネット民は「交差点で立ち止まるほうが迷惑」「加害者も被害者も中国人だろう」などと日本を擁護していたことだ。

加害者はまだ特定されていないが、その後女の子の親が名乗り出たことで、被害者は日本旅行中の台湾人だったことが確認された。それで台湾人の見解が変わったかは定かでないが、これを機に、過去にぶつかり族を紹介した日本のテレビ番組まで掘り起こされ、その切り抜き動画も中国のSNSで広まっている。

昨年11月、高市早苗首相の「台湾有事」発言をきっかけに、中国政府は日本への渡航自粛を呼びかけた。「中国人の安全に重大なリスクが生じた」というのがその理由だったが、日本人は皆、日本が危険なわけがない──と笑い飛ばしていたはずだ。

ただ、今後は声高に安全を標榜するのは難しくなるかもしれない。3月4日には在日中国大使館が「ぶつかり族」への警戒を呼びかけた。

実際、日本の皆さんは知らないかもしれないが、女性や子供に加え、外国人観光客も「ぶつかり族」の標的になりがちだ(ただし欧米人を除く)。言葉の通じないアジア人観光客は「自分より弱い」と認定されるのだろう。観光客ではない私自身も、何度も被害に遭ったことがある。

中国にも生きづらさはあるが、ぶつかり族や痴漢は少ない