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「東南アジア市場は込み合ってきた。南米やアフリカに新たな市場を探す業者が増えている」と、鉄鋼パイプを輸出する河北華洋鋼管の営業マネジャーSteven Yue氏は言う。「今年後半は、南米とアフリカの市場開拓により力を入れる計画だ」

南米とアフリカは、昨年の中国鉄鋼輸出の計8%を占めており、両地域の一部の国々向けの輸出は今年急増してる。

MEPSのデータによると、東南アジア向けは昨年の中国鉄鋼輸出全体の25%を占めているが、前年比では45%減少した。2018年第1・四半期にも、前年同期比で3分の1減少している。

アフリカ最大の経済規模を誇るナイジェリアは、同地域最大の中国産鉄鋼輸入国だ。同国向けの中国鉄鋼輸出は、第1・四半期に15%増加。経済規模第4位のアルジェリア向けは、3倍近くに膨らんだ。

南米では、ブラジル向け輸出が40%増加したほか、ボリビア向けは10倍近くに跳ね上がった。

世界貿易機関(WTO)のデータによると、アジア地域に比べて、ブラジルやコロンビア、チリや南アフリカなどを含めたアフリカ、南米両地域には中国鉄鋼製品に対して反ダンピング税やセーフガード措置を導入しているところは少ない。

中国の輸出企業が新たな市場開拓を進めるにつれ、ブラジルなどで国内サプライヤーと衝突する可能性が出るほか、ロシアなどのライバルと激突することも考えられる。

だが河北華洋鋼管のYue氏は、中国製鉄鋼がアフリカや南米で競争力があるのは、「現地の国内生産力が足りないためだ」と語る。

大きなポテンシャル

中国鉄鋼輸出は2015年に記録した過去最高の1億1240万トンから、2017年には7540万トンにまで下落。中国政府主導のインフラ計画によって国内需要が拡大したためだ。

それでも、中国鋼鉄工業協会は、米国との貿易摩擦が中国の鉄鋼輸出に与える影響を「過小評価するべきではない」と警戒する。

「鉄鋼輸出が今年再び減少すれば、鉄鋼製品が国内市場に流れ、われわれ自身の市況が悪化する」と同協会は先月指摘した。

国内生産を高める東南アジア各国