Orathai Sriring Thanadech Staporncharnchai

[バンコク 17日 ロイター] - タイの通貨バーツがドルに対して4年ぶりの高水準に上昇し、経済成長の柱である輸出と観光を脅かしている。タイ経済は低迷しており、間もなく発足するアヌティン首相の新政権にとって大きな頭痛の種になりそうだ。

バーツは今年、対ドルで8%上昇した。アジア通貨の中では台湾ドルに次いで2番目の上昇率だ。

カシコーンバンクのキャピタル・マーケッツ・リサーチ責任者、コビスディ・シルパチャイ氏は「バーツ高は価格的にも量的にも輸出と観光の収入を減らす。観光シーズンのピーク直前という悪いタイミングでバーツ高がやってきた。観光客は値ごろ感を求めてタイ以外での買い物に動きそうだ」と語った。

タイ経済は米国の関税と、家計の重債務を背景とした消費低迷に苦しんでいる。

政府当局は今年の経済成長率が1.8―2.3%と、昨年の2.5%を下回ると予想している。昨年の成長率も近隣諸国に後れを取っていた。

数少ない明るい分野だったのが輸出で、1―7月に価格ベースで前年同期比14.4%増加。しかし米国に19%の関税を課されたことから、今後は減速が予想されている。

ベトナムに対する米国の関税率は20%と、タイよりわずかに高いが、バーツ高ゆえにタイの製造業者はベトナムなど近隣諸国との競争に苦闘している。タイ産業連盟のナバ・チャンタナスラコン副会長は「バーツ問題に手を打たなければ、輸出産業の信頼感が落ち込むだろう」と案じた。

タイ・ホテル協会のセインプラシト・チャイヤパトラヌン会長によると、バーツ高はまだホテル予約や観光業全般で大きな影響を及ぼしていないが、「長期間、例えば来年までバーツ高が続けば、影響が出てきそうだ」という。

タイ中央銀行は総裁交代を控えている。間もなく退任するセタプット総裁は16日、バーツ高対策を検討中だと述べた。

またアヌティン新首相の内閣はまだ始動していないが、首相はバーツ高対策を打つと述べている。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。