●次に何が起きるか

安倍首相と麻生氏は、世論の怒りが収まるまでダメージを抑えようとするだろう。麻生氏の第1防衛線は、財務省で調査を徹底的に行うため大臣の座にとどまらなければならない、と主張することだ。

だが、与党・自由民主党の中でも、石破茂元幹事長や小泉進次郎筆頭副幹事長などから、官僚を非難するだけでは十分ではないとする意見が上がっている。

麻生氏を守り、安倍首相に影響が及ぶのを阻止するには二階俊博幹事長のような自民党幹部の対応が不可欠となる。同様に、連立政権を担う公明党の対応も極めて重要だ。

●麻生氏が辞任したらどうなるか

安倍首相にとって麻生氏辞任は政治的には大きな痛手となるが、政策への直接的影響はおそらく限定的とみられる。

麻生氏は安倍政権の安定に不可欠な存在であり、9月に控えた自民党総裁選挙で3期目を目指す安倍氏の鍵を握る。再選すれば、安倍氏は最も在任期間が長い首相となる道が開ける。

もし麻生氏が辞任すれば、その時点で、あるいは9月の総裁選前に安倍首相の後任を巡る派閥間の駆け引きがエスカレートするだろう。

●広義的には何を意味するか

一部の金融市場関係者は、超金融緩和策、財政出動、構造改革を柱とするアベノミクスへの影響を懸念している。石破氏のほか、岸田文雄前外相ら安倍首相の後任候補は、財政立て直しによって日本の膨張し続ける債務に対処する必要について語っている。

より大きな懸念は、今回のスキャンダルによって政治の不安定期が始まる可能性があることだ。安倍政権は6年目を迎えたが、これは日本では異例な長さで、それまで日本の指導者はころころ変わっていた。

日本はまた、北朝鮮によるミサイルと核の脅威という安全保障上の懸念にも直面している。貿易面では、トランプ米大統領の保護貿易主義政策に対処しなければならない。

安倍氏のトランプ大統領との親密な関係や、他の世界の指導者らとの交流は外交的にはプラスと見られており、指導者が変わることは日本にとって打撃となりかねない。

(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

Linda Sieg

[東京 12日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます