自由貿易ルール崩壊の危機 米孤立化も

菅義偉官房長官は8日の記者会見で「安全保障を理由とした措置は世界の鉄鋼、アルミニウム取引に動揺を与えるだけでなく、日米両国の経済関係、多国的貿易関係、世界経済にも大きな影響を与えかねない」と述べて、幅広い影響を懸念した。

第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏も、影響は単に貿易縮小とどまらず、米国への信用問題や自由貿易ルール自体の破壊につながると指摘する。「世界各国はルールに基づいた契約関係で貿易をしてきたが、対抗措置が広がり、ルールが勝手に破られることになれば、国同士の信用問題につながる」からだ。

熊野氏は、米国への直接投資の減退や、世界における米国の孤立化にもつながりかねないと予想する。

今回の輸入規制に対し、今年11月の米中間選挙をトランプ大統領が意識した結果との見方が米国内で広がっている。

だが、米経済が混乱し、株が下落するようなことになれば、トランプ大統領にとってもマイナスの効果を生みかねない「危うさ」をはらんでいる。

(中川泉 編集:田巻一彦)

[東京 9日 ロイター]
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