英国でデジタルアプリケーションを通じてサービスを提供するモンゾ・バンクなどのネット銀行各行は、顧客への融資よりも他の企業に顧客へのアクセスを認めることで利益を稼ぎ出す手法を追求している。だが、そうした手法で利益を確保できるかは、まだ検証されていない。

モンゾの利用者数は今年の9カ月間で300%急増して45万人となった。これが投資家を引き寄せ、企業価値は2倍余り上昇して3億3600万ドルと評価されている。

こうした成長はコストを伴う。モンゾは海外での現金引き出し手数料を無料としていることもあり、最近まで顧客1人当たりの損益が50ポンド(67ドル)の赤字となっていた。

モンゾのトム・ブロムフィールド最高経営責任者(CEO)はロイターに「成長するほど損失が拡大する。ある時点で転換する必要がある」と述べ、顧客1人当たりの損益を黒字転換する意向を示したが、具体的な収益目標には言及しなかった。

モンゾやスターリング・バンクなどのネット銀行は大方、従来型銀行の収益源である融資は手掛けておらず、オーバードラフトや外国為替取引に対する高い手数料も課していない。

新興勢力の銀行にとって、こうしたコストを吸収するのは容易ではない。だがネット銀行勢は、顧客データを活用して他の金融サービスに展開を広げるという新たなビジネスモデルから利益を稼ぎ出せると考えている。

新たな規制により大手銀行の支配力が低下するとともに、規制の強化と競争の激化で利益が分散化する中、こうした手法が成功すれば、ネット銀行が大手銀行のリテール事業の利益を侵食することができる。

市場

デジタルでサービスを提供する銀行は、リアルタイムの支出分析や資金の利用状況に関する通知の送信に加え、1回のクリックでカードの利用を凍結したり凍結を解除できる仕組みなど、使いやすいアプリを売りにしている。

だがネット銀行にとって、顧客の生活の中心になれるかどうかが、適切な商品を案内するのに必要なデータにアクセスするための鍵となる。

スターリング・バンクのアン・ボーデンCEOは「人々の金融面の営みで重要なのは、どこにデータがあるかだ」と語った。

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