By Andrew Gray, Sam Tabahriti, Susan Heavey
[ブリュッセル/ロンドン 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)と英国は20日、米国の参加を待たずに、ロシアに対する新たな制裁措置を発表した。ロシアが西欧諸国の制裁回避に使用する「影の船団」に属するとみられる石油タンカーのほか、制裁回避の支援が疑われる金融企業などを標的とする。
欧州はトランプ米政権に対ロシア制裁に参加するよう強く働きかけていたが、EUと英国は米国による措置の発表を待たずに今回の制裁を発表。ブリュッセルで開かれたEU外相会合に出席したドイツのワーデフール外相は、「われわれはロシアに対し、前提条件なしの即時停戦を期待していると繰り返し明確に示してきた」とし、ロシアが停戦を受け入れないため、対応せざるを得ないと言及。米国もロシアが停戦に応じていないことを「容認しないよう期待している」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「制裁措置は重要だ。戦争の加害者に(痛みを)実感させるよう尽力する全ての人に感謝する」と対話アプリ「テレグラム」に投稿した。また、米国も加われば望ましいとし、「平和を近づけるプロセスに米国が関与し続けることが重要だ」と強調した。
トランプ米大統領はEUと英国の発表を受け、どのように対応するか検討していると述べたが、詳細は明らかにしなかった。
EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は制裁措置発表後にゼレンスキー大統領と電話会談を実施。侵攻を続けるロシアに一段の圧力をかけるため、欧州諸国は一段と強力な措置を盛り込んださらに新たな制裁を準備していると明らかにした。また「停戦を実現するためロシアへの圧力を強める時が来た」とXに投稿した。
フランスのバロ外相は「プーチン(ロシア大統領)に帝国主義的幻想を終わらせるよう圧力をかけよう」と表明。英国のラミー外相は「和平努力を遅らせることは、ウクライナの自衛を支援し、制裁を用いてプーチンの軍事力を制限するというわれわれの決意を倍増させるだけだ」と述べた。
ロシア外務省のザハロワ報道官は、ロシアが「最後通告」に屈することはないと言明。プーチン大統領が19日、将来の和平協定に関する覚書についてウクライナと協力する用意があると述べたことについて、「したがって、ボールはキーウ(キエフ)側にある」と述べた。
トランプ大統領は19日にプーチン大統領と電話会談を実施。プーチン氏からウクライナ停戦の確約を引き出すことはできなかった。