今回の選挙結果は、トランプ氏の前側近のスティーブ・バノン氏にとっても打撃となった。バノン氏は、アラバマ州上院補選候補を決める予備選で現職を差し置いてムーア氏を支持していた。

バノン氏は来年の中間選挙に向けて、マコネル上院院内総務などの共和党主流派との対決姿勢を打ち出すことを目指しており、アリゾナ州やネバダ州、ウィスコンシン州でもマコネル氏が上院トップでいることに批判的な反主流派を支援している。

ただムーア氏の敗北でこうした取り組みが水を差されるのは確実で、共和党内では、主要支持層の離反を招き、共和党を議会多数派から転落させかねないような「アウトサイダー候補」への肩入れの動きは、一層鳴りを潜めそうだ。

ムーア氏が敗北したことを踏まえると、トランプ氏が今後、共和党候補の予備選に首を突っ込むかどうかも疑わしい。

共和党員のコンサルタントでマコネル氏に近いジョシュ・ホームズ氏は「議員にふさわしくない人物を候補に指名し、党に迷惑をかければ、結果的に自分の名声を傷つける危険がある」と警告した。

もっとも民主党が来年、上院で多数派を確保するためのハードルはまだそれなりに高い。大統領選でトランプ氏が勝った10州で現有議席を死守するとともに、共和党から2議席を奪う必要があるからだ。

下院で民主党が過半数達成に向けて奪回が必要な議席は24とより多いが、都市近郊部を中心に接戦を演じている選挙区が多いので、こちらの方が現実味がある目標とみられる。

(James Oliphant記者)

[ワシントン 13日 ロイター]
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