8月31日、午後11時すぎ。東京渋谷区にある代官山蔦屋書店が真っ赤に染まった。映し出されたのは「STAR WARS」(スター・ウォーズ)の文字。ストームトルーパー(写真の装甲の兵士)など、おなじみのキャラクターが次々と登場した。

そして日付が変わった1日の0時1分。一斉に披露されたのが、スター・ウォーズの関連グッズだ。深夜にもかかわらず会場で待ち構えていた200人ほどのファンが、お目当ての商品を次々と手に取っていた。

世界同時に商品販売を解禁

今年12月15日に全世界同時公開が予定される映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」。蔦屋書店を映画のイメージカラーである赤に染めて行われたのは、その関連商品の販売解禁イベントだ。解禁日が金曜であることから「Force FridayⅡ」と名付けられたこのイベントは、日本だけでなく全世界で同時開催された。

このイベントは最後に「Ⅱ」と付くように、2度目の開催となる。1度目は2015年9月、シリーズ第7弾「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の公開に先立って行われた。

スター・ウォーズを製作するルーカスフィルムは2012年、米ウォルト・ディズニーに買収されている。1度目はディズニー傘下として初めて、そしてシリーズとして10年ぶりの映画公開前に行われたイベントだった。「商品をここまでの規模で世界一斉に解禁することは、スター・ウォーズにとっても、ディズニーにとっても、前例のない試みだった」(ウォルト・ディズニー・ジャパンで商品ライセンス部門を統括するジャスティン・スカルポーネ氏)。

規模の大きさは今回も変わらない。違うのは目玉となるプロモーション手法だ。前回は動画サイトYouTubeで1時間おきに新商品を公開、そこで新キャラクターであるロボット「BBー8」をお披露目した。

今回はAR(拡張現実)を活用する。9月1日から3日間、世界30カ国・約2万カ所で映画に登場するキャラクターを描いた立て看板が設置される。事前にインストールしたアプリを立ち上げ看板をスキャンすると、そのキャラクターの画像と解説を集めることができる。

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看板をスキャンしてキャラクターを集める(記者撮影)

すべて集めると15個。中には今回初登場するキャラクターも3つ含まれている。通常、新キャラクターの解禁は映像やウェブサイトで行うが、ARを用いることで、ファンが受け身ではなく"体験"できるようにした。

「"体験"は商品戦略にとって、もはや外せないキーワード」とスカルポーネ氏は言う。キャラクターを集めるというゲーム性によって、SNS上での拡散やファン同士のコミュニケーションを生み出すことも狙っている。

「SNSは若い世代が使うイメージがあるかもしれないが、スター・ウォーズのコアファンである40代、50代の利用も多い。若い世代の取り込みとコアファンの深掘りの両方が狙える、一石二鳥の施策」(同)。

商品もARなど新技術で進化