2016年19月28日のコラム<六中全会、集団指導体制堅持を再確認――「核心」は特別の言葉ではない>にも書いたように、胡錦濤元国家主席(総書記、中央軍事委員会主席)も、「核心」と定義づけられていた。しかし江沢民が大きく宣伝するのを許さなかっただけだ。胡錦濤政権時代の「チャイナ・ナイン」は胡錦濤は3人、江沢民派6人で激しい権力闘争があり、多数決議決で負けるので政治は「中南海を出ない」状況にあった。しかし習近平政権の「チャイナ・セブン」においては、ほとんど全員が習近平を支援していた。多数決議決は習近平の思うままだ。なぜ権力闘争をしなければならないのか。論理的整合性がない。
トランプ政権に代わってグローバル経済を牽引
3月5日の政府活動報告で、李克強国務院総理は「反グローバル化、保護主義」に反対すると語気を強めて強調し、暗にトランプ政権の経済貿易政策を批難した。中国こそが世界経済成長の原動力の一つで、世界経済成長に対する貢献度は30%に達するとした。これは中国共産党機関紙「人民日報」の機関紙「人民網」も早くから報道していた。その意味でトランプ政権のTPP撤退などを受け、中国はより強く「一帯一路」やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)を主導することにより、中国こそはグローバル経済を牽引することをアピールした格好になる。
とは言え、すべてが習近平政権が追い込まれた窮地の裏返しであることが見えた全人代開幕だった。

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