中国が軍用機で病気の作業員をファイアリー・クロス礁から避難させたことを受け、米国は先月、中国に対して軍用機を南沙(英語名スプラトリー)諸島に派遣する計画がないことを改めて確認するよう求めている。

「大規模で水深のある港や長さ3キロの滑走路など、すでに大掛かりなインフラ設備があるファイアリー・クロス礁は、南シナ海における将来的な中国軍の作戦拠点になるとみられており、厄介だ」。南シナ海情勢に詳しいシンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)のイアン・ストーリー氏はこう語る。

「タイミングも興味深い。これはオバマ大統領のベトナム訪問を控えた、米国の決意の表れだ」と指摘する。

 ダニエル・ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は訪問先のベトナムで、「航行の自由」作戦はより小さな国にとって重要だと述べた。

「世界で最も強力な海軍が国際法で認められた海域を航行できないとするならば、より小さい国の海軍の艦船はどうなってしまうのか」と、同次官補は今回の作戦のニュースが公になる前に記者団に語った。

 9日のフィリピン大統領選挙で当選確実となった、暴言で知られるロドリゴ・ドゥテルテ市長は、南シナ海の領有権について多国間協議を開催するよう提案している。

 中国の外交官は先週、南シナ海をめぐる中国への批判が「コイルばね」のように跳ね返るだろうと警告している。

 (Michael Martina記者, Greg Torode記者、Ben Blanchard記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)

[北京/香港 10日 ロイター]
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