欧州中央銀行(ECB)は3日に公表した経済報告書で、新興国経済の弱体化の背景には根深い構造的な問題があるため、長期化する恐れがあるとの認識を示した。

 ドラギ総裁はこれまでも、新興国経済の成長鈍化がユーロ圏経済の足かせとなっているとし、このことがECBの超低金利政策の根拠の1つとなっているとの認識を繰り返し表明している。

 ECBはこの点を強調。一部新興国の潜在成長は鈍化したとし、これにより世界的な経済成長に対し「かなりの」マイナスの影響が及ぶリスクが増大しているとの見方を示した。

 ECBは新興国経済の失速の要因として生産性の低下、投資の減退、対外債務の増大、資金調達条件のひっ迫化、人口動態の悪化などを指摘。「こうした問題の一部は短期間で克服できない公算が大きい」とし、特に投資減退やインフラをめぐる問題などは予想よりも深刻である可能性があるとした。

 そのうえで「現在進行中の再均衡化の動きは、持続可能な成長を中期的に確実にするために必要だが、移行プロセスは一様でない公算が大きく、リスクは下向きとなる傾向が強い」と警告した。

 中国経済の鈍化と再均衡化の動きを受け、年初から金融市場が大荒れになるなどの影響が出ている。国際通貨基金(IMF)の報告によると、新興国経済は世界的な経済成長の70%を担っているものの、2014年には成長率は5年連続で鈍化している。

[フランクフルト 3日 ロイター]
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