米軍は昨年、南シナ海と東シナ海で領有権を主張する中国を含めた13カ国に対し「航行の自由」作戦を実施したことが、米国防総省が25日発表した年次報告書で明らかになった。

 報告書によると、米軍による「航行の自由」作戦の対象となったのは、中国、インド、インドネシア、イラン、リビア、マレーシア、モルディブ、オマーン、フィリピン、ベトナムなどが含まれる。

 米軍が各国に対し、それぞれ何度の作戦を実行したか等の詳細は計2ページの同報告書に記載されていない。ただ台湾、ニカラグア、アルゼンチンに対しては1度だけ作戦を実行しており、合計で13カ国に及んだことが示されていた。

 「航行の自由」作戦には、他国が航行の制限を課そうと試みている海域に米海軍や軍用機を派遣する活動が含まれる。作戦の目的は、国際社会がそのような航行の制限を容認しないことを明確に示すことだ。

 米軍はここ数年、中国が領有権を主張する海域に対して何度も作戦を展開してきた。昨年も、中国による人工島造成で資源が豊富な南シナ海の領有権をめぐって域内の緊張が高まり、米軍が作戦を実行した。

 米軍は昨年10月、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島に中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)内にミサイル駆逐艦を派遣する作戦を遂行。島の付近にいる米軍の軍用機は、近づかないように警告されてきた。

 米軍のパトロール活動に対する中国の非難にもかかわらず、カーター米国防長官は、米海軍がこの地域で活動を続けると表明した。

 中国国防省は25日夜、ウェブサイト上で声明文を発表し、米軍の作戦に対して深い懸念を表明。「米国は、航行と上空通過の自由の名の下に、南シナ海で軍事化を推し進めており、沿岸諸国の主権と安全を脅かし、域内の平和と安定を破壊している」と非難した。