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『恋人たちの予感』のメグ・ライアン(左)とビリー・クリスタル ©2024 ABRAMS, COLUMBIA PICTURES/COURTESY EVERETT COLLECTION
 

女性たちに力を与える

『恋人たちの予感』『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』(いずれもメグ・ライアンが主演)に共通するテーマは、男女の駆け引きだ。

「完璧とは言えず、洗練されていなくて、複雑な一面を持った女性主人公が登場することもエフロンの作品の際立った特徴と言える」と、カプランは言う。

「セックスと女性の快楽をめぐり率直な会話が交わされる『恋人たちの予感』のような映画は新鮮だった。見る人がリアルだと感じ、それでいて憧れを抱けるような世界がつくり上げられていた」

エフロンのロマコメが女性に力を与えることについては、「彼女の映画を見ている女性たちは、自分も見られているように感じる」と語る。「多くの女性が登場人物に自分を重ね、自分のひねくれたところや欠点を受け入れることができた」

遺作となった『ジュリー&ジュリア』をはじめ、エフロン作品で食べ物が果たす役割も無視することはできない。

「ノーラの食べ物に対する愛は、ロマコメそのものだ。食べ物は文化や彼女の生き方を象徴している。ノーラ自身が食べ物にとてもこだわりがあることは知られていたから、映画の中で(特に食べ物を注文する場面は)彼女自身を見ているような感覚になる」

「『めぐり逢えたら』のアップルパイ、『恋人たちの予感』のサンドイッチ。主人公の女性たちが注文する場面には、妥協するなという大きなメッセージが込められているのだろう。こだわりを持って、欲しいものを頼もう、と」カプランは新著で、エフロン作品の中でも見過ごされがちなのは『心みだれて』だと指摘する。

「これは別れのロマコメだ。でも、多くの美しさもある。(ストリープが演じる)レイチェルの成長を見るのが私はとても好きだ。彼女はノーラの作品に出てくる多くの人物と同じように、勇敢な選択をする。それは決して簡単なことではない」

エフロンの映画の多くでは、ユーモアの皮をめくると個人の苦悩が隠れている。「苦悩には登場人物を形作るのに役立つ側面もある」と、カプランは言う。

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