そんな多忙な状況にあっても、「とにかく香りに囲まれていることが幸せです。特に好きな香りはなく、香料は全部好きです。香水にあまり興味がない人たちには、香水という芸術作品をきっかけに、生活の中の香りに興味をもっていただけたらと思います。フランス人は香りに敏感で、いつでも香りを楽しんでいます。香りに気を配ることで、きっと生活が豊かになるでしょう」と言う。目を輝かせて香りの魅力を語る姿は印象的だ。
自分のブランド化は、父親の影響も受けた
市場に香水があふれている今、自分のブランドを長年販売し続けるのは、並々ならぬ努力がいる。新間さんの自分軸がぶれなかった背景には、京都で生活し、日本の古い文化に慣れ親しんだ経験もあった。京都の建物や食べ物、自然や空気といった香りを知っていることは、日本への関心が益々高まっているヨーロッパで「自分の香水は気に入ってもらえるはず」という自信の拠り所になった。
新間さんは、2つの事業を起こした父親の姿にも刺激を受けたという(母親も起業家だった)。父親は人脈がとても広く、他界した時、1000人以上が葬儀に参列した。参列者たちの職業は実に様々で、誰とでも分け隔てなく接していた父親の生き方とビジネスへの姿勢を改めて知った。新間さんは、そんな非常にオープンマインドだった父親を尊敬しながら、自分の香水ビジネスにおいては父とは異なる立場を取っていると説明する。

自身の香水作り、オーダーメイドの香水作り、香りの教育、香りに関する著述(書下ろしや翻訳)と、まさに香水に人生をかけている新間さん。「パリにいる、ものすごくパワフルな年上の友人たちの様子を見ていると、まだまだ自分は若くて何でもできる気がしています」と笑う彼女から、新しい香水や著書がさらに飛び出すはずだ。
