<10歳のときにテレビドラマで見たFBIに憧れ、『ジョン・ウィック』でキアヌ・リーブスの演技にくぎづけになった、ウクライナ人大学生が夢を叶えるまで>

大きくなったらスパイになりたい──

そう思ったのは10歳の時だった。テレビドラマの『X-ファイル』を見て、私はとりこになった。FBIの工作員になりたいと両親に言ったのを覚えている。戦闘と秘密と陰謀の世界に、すっかり夢中になったのだ。

しかし、大きな問題が1つ。私はウクライナ人だった。スパイになるのであれば、ウクライナ政府のスパイになるほかない。

FBIで働きたいという夢が実現することは決してないと、両親は私に言った。それでも、スパイになるという夢を忘れることはその後もなかった。

子供の頃、母は私をプロのバレエダンサーにしたいと思っていた。それが母の子供時代の夢だったからだ。

それでも、武術スクールにも通わせてもらえることになった。私は大喜びした。強くなって、映画で見た技を全てマスターしたいと思ったのだ。

大学時代に親友の1人が突然亡くなった。彼はまだ20歳だった。この悲劇と正面から向き合うのは実に難しかった。そんなとき、心を癒やすセラピーの役割を果たしたのがダンスの仕事だった。

私は大学の勉強と並行して、朝から晩までプロダンサーとしての仕事に打ち込んだ。バレエもジャズも、コンテンポラリーもヒップホップも踊った。

この頃、YouTubeでアメリカの有名な振付師の動画を見始めた。その後、演技の講座もいくつか受講した。

自分の可能性に挑みたい

アクション映画『ジョン・ウィック』のシリーズ第1作を見たのは、この時期だ。

当時21歳だった私は、この映画で殺し屋の役を演じたキアヌ・リーブスの銃器の扱い方があまりに自然なことに目を奪われた。キアヌほどリアルに演技する役者は見たことがなかった。

私のハートに火が付いた。あんな演技ができるようになりたい、自分の可能性に挑みたいと思ったのだ。

スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
PR
彼が私の人生を変えた
【関連記事】