<アメリカで人工中絶が全面的に禁止される? 最高裁の判決草案のリークにより、中絶薬の郵送サービスへの注目が一気に高まっている>

人工妊娠中絶の権利を保障した1973年の「ロー対ウェード判決」が覆されるかもしれない──5月2日、米最高裁の判決草案が流出すると、全米に激震が走った。

これを受けて一気に注目が高まったのが、オーストリアのNPO「エイド・アクセス」による中絶薬の提供サービスだ。郵送で入手して自宅で服用できるため、中絶が禁止されても規制を擦り抜けられると期待される。同団体のサイトで処方の依頼や資料請求をする女性は草案流出の翌日には30倍に増え、1日当たり4万人近くに達している。

アメリカでは薬による中絶が全中絶件数の54%を占めており、オンライン診療による中絶薬の処方が認められている20州では、同団体は地元の医師と連携して薬を提供する。一方、そうした行為が制限または禁止されている地域では、欧州の医師とインドの通販薬局と組んで患者に薬を届ける。この手法は合法でないが、現時点では取り締まる法律はないという。

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