ゴシップのネタになるような話ではない。JFKの弟ロバートが亡くなって、この時点ですでに32年たっていた。それでも、ハリーやホグワーツの生みの親がケネディに夢中だったと知って、私は驚きのあまり二の句がつげなかった。ローリングはケネディの墓参りまでしたという。

 インタビュー中に出てきたゴシップ風の裏話は、せいぜいこの程度。強いて言えば、あとはローリングが運転免許をもっていないことくらいなものだった。

 翌日、私はダートマスの卒業式に列席し、彼女が学位を授与されるのを見守った。参列者のなかには若い読者はそれほどいなかったようだ。ローリングには大きな拍手が送られたが、とりたてて騒がれることはなかった。

 だが、彼女の次の人物の名前が呼ばれると、どよめきが起きた。伝説的な大リーガー、ハンク・アーロンである。私はしまったと思った。アーロンも名誉学位を受けると知っていたら、ローリングに頼んでサインをもらったのに!

[筆者]
マルコム・ジョーンズ Malcolm Jones

書評のほか、アートも担当。01年には村上春樹に『アンダーグラウンド』についてインタビューしている。共著に児童書『ジャンプ!』がある

※この記者によるインタビュー記事はこちら:【再録】J・K・ローリング「ハリー・ポッター」を本音で語る

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