確かにネットフリックスは、世界のさまざまな国の映像作品に触れる機会を増やしてくれた。非英語圏の映像作品の人気上昇に一役買ったと言っても過言ではないだろう。だがそれは、どちらかというと偶然の産物だったのかもしれない。

ネットフリックス(に限らず、大手動画配信サービス全般)には、非英語圏の作品を視聴者に知らしめる努力が不足しているからだ。

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ネットフリックスには是枝レベルの大物監督を引き付ける力が今もある。なのに彼らが生み出した作品に対して冷淡なのは言語道断だ。膨大な作品のリストを眺めている間に運良く見つけてもらえれば御の字だ、とでも言うのだろうか。

『イカゲーム(오징어 게임)』の大ヒットを見れば、字幕作品であっても受け入れてもらえることは自明なのに。

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と言うと暗い気持ちになるが、だからこそ私は『阿修羅のごとく』をおすすめしたい。現実の生を見事に映し出す鏡であり、ヒューマンドラマでもある本作は、現時点で今年のベストドラマだし、年末までその地位は不動だろう。

ネットフリックスのアルゴリズムに隠されたままでは、あまりにももったいない。

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