昨年4月、イギリスで喫煙者に向けニコチン入り電子たばこを啓蒙する世界で初めての試み、「Vapril」(VapeとAprilの造語)キャンペーンが展開された。「驚くべきは、そのキャンペーンを国と王立内科学会が主催していること。冊子を制作して配布したり、カフェにインストラクターを常駐させ電子たばこのレクチャーを行うなど、莫大な予算をかけた大規模なものでした」と、現地で視察した熊丸氏もその徹底ぶりに目を丸くする。

ロンドン大学の研究チームが医学誌に発表したところによれば、ニコチンパッチやニコチンガムといった代替品よりも、電子たばこのほうがたばこハームリダクションが約2倍効果的であることが明らかになったという。「紙巻きたばこから加熱式たばこへと移行した場合、匂いの強さから再び紙巻きたばこへ戻る人は少ないという印象がある」と、熊丸氏もコメントする。

たばこにアルコール、ラーメン、スイーツ......。誰しも、進んで不健康になりたいわけではない。しかし、良くないと分かりながらも欲望が勝ってしまうことだってあるのではないか。

ならば、その罪悪感と身体的なダメージを少しでも軽減する「ハームリダクション的」な考えや商品を取り入れてもよいのではないだろうか。人生のすべてを0か1で振り分けることなどできないのだから。

japan_banner500-season2.jpg

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます