サービスをする側と受ける側の基本

生産者が心を込めて材料を作っていること、シェフがおいしいお料理を提供するために日々努力をしていること、スタッフが心地よい空間をつくろうとサービスしていることに対して、品位のある食べ方をしているか否かで、お店の人は自分たちがたいせつにされているかどうか感じ取ります。

サービスを受ける側のふるまいがあってこそ、お客さまへの心のこもったサービスにも表れてくるはずです。お互い感情を持つ生き物として、気持ちよく応対することが、サービスをする側と受ける側の基本だと考えます。

国際線に乗務しているとき、海外からのお客さまに感激されることがしばしばありました。「コーヒーのおかわりいかがでしょうか?」とお聞きしただけで、「エクセレント!」と返ってきたこともあります。

「いつもは別のエアラインに乗っているけど、今回初めてJALに乗った。何もかもが素晴らしい! これまでおかわりを聞いてもらったことなんてなかったし、やさしく、にこやかに接するクルーはいなかった。今度からJALに乗るよ!」

お客さまにこうおっしゃっていただけると、CA冥利に尽きます。

日本は世界トップクラスのサービス大国で、「当たり前」の基準が高いため、気づきにくいことかもしれませんが、人の心が動く瞬間というのは、こうしたほんのちょっとした心づかいなのだと感じたエピソードです。

ゴミとして捨てる食事後のお皿がきれいか

「立つ鳥跡を濁さず」、ということわざがあります。これは、去っていく者は、跡が見苦しくないように始末してから出立するのがよし、ということのたとえです。

国際線のお食事サービスが終わり、トレイをお下げするときに、きれいに整えて戻してくださるお客さまもいらっしゃれば、ぐちゃぐちゃのままのお客さまもいらっしゃいます。

どうせゴミとして捨てるんだから同じじゃないか、という考えももちろんありますが、やはりきれいに整えられているトレイは、CAも気持ちよく片付けることができます。

ビジネスクラスにお乗りだったお客さまのお話です。一流といわれる企業にお勤めの方でしたが、機内での過ごし方に驚きました。鼻をかんだティッシュを床にポイポイ落とし、読み終わった新聞紙を床に広げて踏んづけていたのです。

お食事のあとのトレイも、ゴミが山盛り。降機されたあとの席を見ると、ゴミが床に散乱していて、シートの間にも食べかすなどが挟まっていました。これでは、公共の場を汚しても平気な人と思われても仕方がありません。

ちなみに、皇族の方が降機されたあとは、ピシーッとシートベルトが元の位置に戻っていて、ゴミひとつなく、お乗りになる前の状態に整えられていました。改めて背筋が伸びる思いがしたのを覚えています。


仕事ができる人のポイント

他人からたいせつに扱われる人は、品位品格を身につけている

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※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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