<絶滅の危機にあるヒゲワシの巣をスペイン南部で調査すると、人類の歴史に関する重要な痕跡が。なかには約1万2000年前の植物も>

光るものを集めて巣に持ち帰ったり、人間に贈ったりする鳥がいることはよく知られている。インターネット上には、カラスが指輪やビーズなどの小物を人間に差し出し、食べ物と交換したという話が数多く投稿されている。

【画像】こんなに綺麗に残っていた!...ヒゲワシの巣で見つかった「700年前のサンダル」の驚きの姿

だが今回、ヒゲワシ(Bearded Vulture)の巣から、何百年も前の遺物が見つかるという驚くべき発見があった。

猛禽類は縄張り意識が強く、同じ巣を何十年、時には何世紀にもわたって使い続けることがある。今回の研究では、ヨーロッパでは絶滅が危惧されているヒゲワシの巣を、スペイン南部で長年にわたり調査した。

研究チームは2008年から2014年にかけて、12個の巣を解体し、考古学的手法を用いて層ごとに分析。その結果、巣は長期間にわたって複数の個体によって利用されていたことが判明した。巣の中からは、ヒヅメ、毛、布、卵の殻、骨など数千点に及ぶ痕跡が見つかった。

巣の中からは驚くべき品々が見つかっている。18世紀の籠の破片、約650年前の羊革、そしておよそ674年前のものとみられる完全な状態のサンダルなどが含まれていた。

この発見が興味深いのは、生態学的視点だけでなく、民族学的なアプローチへの道も開かれるからだ──と、スペインの狩猟・野生動物研究所(IREC)のアントニ・マルガリダ(Antoni Margalida)氏は本誌に語る。

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ヒゲワシの巣から「人間の暮らし」がわかる
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