さらに、ワクチンが「使用可能な状態にある」という報道に関しては、「仮に現在、前臨床の終盤あるいは臨床試験の初期段階だとすれば、これらの主張は非常に踏み込んだものであり、これが本当に『ゲームチェンジャー』だと断言するには時期尚早だ」と指摘した。

そのうえで、「もし動物試験が完了しているのであれば、まず最初に認可される可能性があるのは、研究環境での臨床試験への使用であり、医療現場での使用では決してない」と強調した。

ピナト氏は、自身の見解が限られた情報に基づいていることを前提に話している。

「この治療法がどのくらいの期間テストされてきたのか、どこでその結果が発表されたのか、結果に対する査読が行われたのか、この技術は本当に人間に適用される見通しがあるのか――そうした点について明確な情報はほとんど見つけられなかった」

ロシアには他の地域とは異なる規制体系があることを認めたうえで、こう続けた。「私には十分な情報がなく、現在の主張は内容の割にやや過剰な印象を受ける」

なお本誌は、FMBAおよびロシア保健省傘下の国立医療放射線研究センター(NMRRC)に対し、取材を申し入れている。

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