今回の研究は、新型コロナウイルスのパンデミック時にCSIROが実施した先行研究を土台としている。当時、帰国便の長距離フライトから採取した排水からウイルスを検出することに成功していた。

2050年までにAMRによる死者数が世界で3900万人を超えると予測されるなかで、アッシュボルト教授は「革新的な監視ツールの開発が急務だ」と強調する。

「航空機排水の監視は、既存の公衆衛生システムを補完し、新たなスーパーバグの脅威に対する早期警告の手段になり得る」

アーメッド氏は「これは実証的な取り組みであり、現実的な可能性を持っている。航空機のトイレを公衆衛生を管理するための早期警戒システムへと転用できる技術が、すでに手の中にある」と述べている。

Reference

Liu, Y., Smith, W. J. M., Gebrewold, M., Ashbolt, N. J., Keenum, I., Simpson, S. L., Wang, X., & Ahmed, W. (2025). Aircraft lavatory wastewater surveillance for movement of antimicrobial resistance genes: A proof-of-concept study. Microbiology Spectrum. https://doi.org/10.1128/spectrum.00569-25

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