だがH-1Bの年間申請数は40万件程度、発給数はその半分程度に過ぎない。根本的な問題はAIによって雇用が失われていることと、IT企業がより優秀で安価な労働力を求めている点にある。これは市場の論理であり、個々人のせいにするのは筋違いだ。

一方で、トランプはインドの仇敵パキスタンとの関係を深めつつある。中国と関係が深く、9.11テロの首謀者ウサマ・ビンラディンを匿い、2021年にはタリバンがアフガニスタンを奪還するのを支援したといわれる国であるにもかかわらず、6月には軍の最高司令官をホワイトハウスに招待している。

インドは巨大な民主国家であり、中国の台頭を抑えるためにも、アメリカにとって極めて重要なパートナーだったはずだ。それにもかかわらず、トランプは中国にはインドより低い関税率を適用し、ロシア産原油を買っても制裁していない。

この矛盾について、ニッキー・ヘイリー前国連大使は本誌への寄稿で次のように指摘する。「アメリカは、何が最も重要な目標かを忘れてはならない。中国に立ち向かうには、インドという友人が必要だ」

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