「美しい国」という印象は今も変わっていない
ただ、1990年前後、当時日本で暮らしていたイラン人全体を見渡せば、レファヒーさんのような人は少数派だった。偽造テレホンカードなどの悪事に手を染めるなどした不法滞在のイラン人も少なくなく、後に一斉検挙により、大半はイランへと送還されていった。
※「30年前のイラン人はどこへ行った? 戦争の果てに来日 15年前の調査から」
レファヒーさんは運が良かったというのではない。努めて細心の注意を払っていた。自国と違うさまざまなルールを破らぬよう、法律を犯さぬよう、「違反なく、気を付けて日本で今まで生きてきた」と振り返る。ゴミが落ちていれば拾って歩くほど、清潔な日本の道路をきれいに保とうと努めて生きてきた。
初めて日本に来た時に感じた、バブル景気に沸く「パラダイス」日本は今や色褪せたかもしれないが、来日当初に抱いた「美しい国」という印象は今も変わっていない。絨毯販売で成功した今も「日本人は真面目で、よく働きます」と日本人の性質を謙虚に見据える。日本が戦後復興を果たしたことにも得心がいき、学ぶことが多くあったと回顧する。
来日して数カ月のうちに「もうイランへは帰らないつもりだ」と家族に電話で伝えたレファヒーさん。この地で生きていく覚悟と決意を新たにした。

●記事後半:日本では「戦争が終わって80年」...来日して35年目のイラン人が、いま噛み締める「平和の意味」
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