日本式アプローチだと「失われた数百年」になるかも
かつての日本は輸出に大きく依存していたため低金利と円安を歓迎していたが、労働人口の高齢化と縮小によって賃金上昇圧力が生まれ、インフレが加速。製造業が弱体化し、日本は貿易黒字国から赤字国へと転じて輸入インフレに脆弱になった。日本はデフレの罠は脱したものの、今度は長期的なインフレの罠に陥っている。購買力の低下によって子育ての能力は失われ、出生率はさらに低下するだろう。「失われた数十年」を終わらせるための日本のアプローチは、「失われた数百年」への道を開いてしまった。
不動産と人口動態の危機に直面している中国は、日本のたどった道を教訓とすべきだ。ここ数十年、急速な都市化や政策による土地不足、地方政府による土地売却への依存、成長への過度な期待などが中国の不動産価格の高騰を引き起こしてきた。
だが中国の都市部に住む28〜32歳の人口は2019年にピークを迎え、その直後に不動産バブルは崩壊した。20〜21年のピーク時にはGDPの25%、政府歳入の39%を占めていた不動産部門は現在、需要の低迷と深刻な供給過剰に苦しんでいる。不動産価格の下落によって世帯資産は壊滅的な打撃を受けた。失われた額は年間のGDPに匹敵するともいわれ、消費や雇用、投資の弱体化につながっている。
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