これは、エナメル質内での微細なズレや破断によって構造が恒久的に変化する状態を指す(なお、フィトリス自体も摩耗していたことから、これらの粒子にも変化が生じていたことが示された)。

歯のエナメル質は、カルシウム、リン、水やタンパク質で構成され、それらが結びつくことで歯の保護層を形成している。

 

エナメル質が侵食されると虫歯になりやすくなり、熱や冷たさ、甘いものに対する感受性が高まる。さらに、着色しやすくなる。

クリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)によれば、小さな虫歯であれば歯科医が修復させることが可能だが、エナメル質そのものは自然に再生しないうえ、失われると取り戻すことはできない。

そのため、歯科医ができる唯一の対処法は、クラウン(被せ物)でさらなるダメージから歯を守ることだけだ。

エナメル質を守る最善の方法は、予防である。フロスや歯ブラシ(フッ素入りの歯磨き粉と柔らかい毛先のブラシ使用が望ましい)で毎日ケアすることが重要だ。

また、こまめな水分補給と、酸性の飲料はストローで飲むなどして歯との接触を減らす工夫もダメージ予防に効果的である。就寝中に歯ぎしりをする人は、マウスピースの装着によって摩耗を防ぐこともできる。

【参考文献】

Lakhal, Y., Redolat, J., Sánchez-González, E., Constantino, P. J., Berthaume, M. A., Borrero-Lopez, O., & Pinilla-Cienfuegos, E. (2025). Novel experimental methods to investigate the effects of plant phytoliths on tooth enamel wear. Journal of the Royal Society Interface, 22.

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます