安全が保障されていても怖くて渡米できない?

インターネット上では、すぐさま批判の声が広がった。

あるX(旧ツイッター)のユーザーは「トランプの渡航禁止リストにW杯出場国のイランが含まれている。さらに、決勝出場の可能性をまだ残している他の国の中にも、全面的または部分的な渡航禁止に直面している国もある。FIFAとIOCは、2026年のW杯と2028年のオリンピックをアメリカで開催することの適格性を真剣に再考すべきだ」と投稿している。

他にも、「外国人サポーターを入国させない国でW杯が開催できるのか?」という疑問も投稿されている。

Redditでも同様の不満の声が上がっている。「FIFAはグループステージの抽選を操作して、イランやベネズエラなどの国が、メキシコやカナダで試合を行うように仕向けるのではないか」という憶測まで飛び交っている。

サッカー関連の書籍を複数出版しているサッカーライターのジェームズ・モンタギューは本誌に対し、「インファンティーノとトランプは非常に親しい関係にあるので、サポーターに対して何らかの特別措置が取られる可能性はある」との推測を示した。一方、「トランプやイスラエルを批判するSNS投稿が原因で入国拒否や逮捕、強制送還される可能性があるとなれば、たとえ安全が保証されていたとしても、多くの人々は怖くて渡航を諦めるのではないか」とも述べている。

今回発出されたトランプによるアメリカ入国禁止令は、地政学的な緊張がいかに国際スポーツの精神を損ないうるかを示すものだ。これはイランだけでなく、今現在もW杯出場を目指している他の国々にとっても同様のことが言える。

選手たちが大会に出場できたとしても、サポーターが入国できなければ、FIFAが掲げる「全面的な参加」の理念を揺るがしかねないし、厳しい入国制限のある国で大規模なイベントを開催することへの懸念が巻き起こりかねない。

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