欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は16日、ECBの利下げが終わりに近づいている可能性があるが、不確実性が高く、事態が急変しやすいため、政策見通しも変わる可能性があると述べた。

CNBCに「われわれは、おおむね(インフレが2%前後で落ち着くという)基本シナリオの範囲内にある」とし「この基本シナリオが維持されれば、すでにターミナルレート(金利の最終到達点)に比較的近いところにいると考えている」と発言。

「あと2回の追加利下げは(可能かもしれないが)、重要なのは貿易交渉と貿易動向がわれわれをどこへ導くかを見極めることだ。当然、それに応じて行動する」と述べた。

ECBのシュナーベル専務理事は利下げを停止すべきだとの考えをすでに示している。ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は追加緩和の余地があると指摘している。

市場は現在、6月5日の利下げを約90%の確率で見込んでいるが、その後は年内にもう1回の利下げしか織り込んでおらず、中銀預金金利が1.75%で利下げ打ち止めになる可能性を示唆している。

ビルロワドガロー氏は、世界的な貿易戦争の激化が重要なリスクだが、ECBがユーロ相場に影響を及ぼすために金利を使うことはないと発言。そのようなことをすれば貿易戦争が通貨戦争になると述べた。

同氏は16日付の複数の仏地方紙に掲載されたインタビューで「残念ながら貿易戦争のリスクはある。ただ、通貨戦争とは、各国が積極的に金利を活用して経済的優位を得ようとする状況を指す。現時点ではそうした状況にはない」と述べた。

「現在の為替動向は経済予測の修正を反映している側面が強い」との認識も示した。


[ロイター]
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