われ先にと王妃にカメラを向ける報道陣と会場スタッフがもみ合う騒ぎをよそに、カミラはユダヤ人大虐殺のサバイバー2人の話に静かに耳を傾けることができた。
その1人、オーストリアのマウトハウゼン収容所で1945年に生まれたエバ・クラークは王妃と話した後で本誌にこう語った。王妃は「とても優しい方。私の話を真剣に聴いて、自分の苦しみのように受け止めてくださった」。
もう1人、94歳のマーラ・トライビックはアンネ・フランクが亡くなったドイツのベルゲン・ベルゼン収容所で強制労働に耐えたサバイバーだ。彼女は王妃のような影響力のある著名人が自分たちの活動を支援してくれることは「とても重要」だと話す。「時々心配になる。人々はいつまで覚えていてくれるだろう。サバイバーが次々に亡くなり、子供の世代も年老いて、身近な体験として語り継ぐ人がいなくなれば、人々の記憶から薄れていくのではないか。決して忘れ去られないことを願っている」
カミラはスピーチでこう警告した。「ホロコーストの種は最初は小さな行為によってまかれた。それまで隣人であり友人だった人たちを排除し、攻撃し、差別する行為によって」
その種は「恐ろしいほど短期間に根を張った」と言う。それを許したのは「現状に甘んじ、不公正に目をつぶり......誰かが何とかしてくれると高をくくり沈黙し続けた、私たちみんなの罪」だと、カミラは語った。
※後編はこちら:「宮殿は我慢ならない」辛辣な王室ジョークも余裕の笑み、「日陰の存在」だったカミラ王妃の素顔に迫る
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