マイクロプラスチックの大部分は噛み始めの2分間で放出され、8分後には94%に達することが判明。これは唾液の酵素ではなく、咀嚼による物理的な力が主な要因と考えられている。
この結果を踏まえ、ガムを噛むのであれば一度に複数個を噛むのではなく、1個のガムを長く噛む方がマイクロプラスチックの摂取量を抑えられる可能性があるとロウ氏は述べる。
研究チームはまた、ガムの廃棄による環境負荷にも言及している。
「ガムから唾液中に放出されるプラスチックは、ガム自体が含むプラスチックのほんの一部に過ぎません。噛み終えたガムを適切に処分せずに捨てると、さらに多くのプラスチックが環境中に流出する恐れがあります」とモハンティ教授が指摘する。
本研究の詳細な結果は、サンディエゴで開催されるアメリカ化学会(American Chemical Society:ACS)の春季学会で発表される予定だ。
一方、オーストラリアの化学者で、ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)のオリバー・ジョーンズ(Oliver Jones)教授は影響を疑問視し、次のように述べる。
「腸の内壁は厚く、体内の調整機能も働くため、飲み込んだマイクロプラスチックはそのまま体外へ排出されるでしょう」
全米菓子協会(National Confectioners Association:NCA)も「100年以上安全に楽しまれてきたガムに問題はない」と本誌に語り、アメリカの菓子メーカーはFDA(米食品医薬品局)が許可している原料のみを使用していることを強調する。
【参考資料】
Chewing gum can shed microplastics into saliva, pilot study finds, ACS
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由