40年ほど前のアフガン侵攻と同じく、22年のウクライナ侵攻も短期間で勝てるというロシア政府の誤った前提に基づいて始まった。

帰還兵には社会を不安定化させる力があるという事実をロシア当局は熟知しており、政府の権威を失墜させる政治運動を封じ込めようと躍起になっている。

22~23年の反体制運動では、個人的な政治目的のために現役兵士や退役軍人を利用するケースが相次いだ。その代表格がクリミア併合に深く関与した元将校イーゴリ・ギルキンと、民間軍事会社ワグネルを率いたエフゲニー・プリゴジンである。

だが政府批判を繰り返したギルキンは禁錮刑を宣告され、プリゴジンは23年6月の反乱失敗後に飛行機事故で死亡。これによってプーチンは帰還兵コミュニティーからの当面の脅威を抑え込むことに成功したと、ISWはみている。

また、プーチン政権は国営の帰還兵組織を設立し、独立性の高かったワグネルなどの組織に所属していた多くの傭兵を統制下に置いた。さらにウクライナ侵攻に参加した軍人を政府要職に登用する教育プログラム「英雄の時代」も始まり、多数の忠誠派が権力の座に就いている。

兵士の37%が報酬目当てで軍に志願
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