<移民排斥を掲げる極右が総選挙で第2党に躍進。若者や労働者に人気があり、旧東ドイツ圏では最大勢力に。中道右派が同調すれば大きな罠にはまることに...>

ドイツ総選挙の結果が明らかになった2月23日、首都ベルリンにある極右政党ドイツのための選択肢(AfD)の本部では詰めかけた何百人もの支持者が歓喜の叫びを上げていた。

なにしろ今回の得票率は前回(2021年)から倍増の約21%。中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)には8ポイントほど及ばなかったが堂々の2位。共同党首を務めるアリス・ワイデルの顔がほころんだのも当然だ。

ネオナチとつながり、過激な移民排斥を掲げるAfDとの連立を、ドイツの既存政党はそろって拒絶している。

しかし、もう無視はできない。今や押しも押されもせぬ第2党で、労働者に人気があり、旧東ドイツ圏では最大勢力。国全体でも全16州のうち15の州議会に議席を持ち、アメリカの新政権とは相性がよく、欧州議会ではAfD議員を中心とする会派が誕生している。

それだけではない。今回の選挙戦を見れば分かるように、今のAfDは民衆に根強い人種差別的な感情を利用して国政の流れを大きく右に振り、既存政党を自分たちの路線に近づけようとしている。

移民問題を争点化するAfDの戦術に、最左派の左翼党を除く全政党が振り回された。そして難民認定や政治亡命の申請者の扱いや警察の対応、国境警備などを強化する主張を掲げることになった。

結果はどうか。AfDの主張になびいた政党はことごとく票を減らした。民主的な政党で前回よりも得票率を伸ばせたのは左翼党だけだ。

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極右政党が仕掛けた罠
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