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南アフリカのスポーツNPOを訪ねて子供たちと交流 GRASSROOT SOCCER

1992年にこの基金を設立したときには、画期的な治療薬も公的支援もなかった。あり余るほどあったのは、ゲイへの憎悪とエイズを恥ずべき病気と見なす風潮だ。

当時と比べれば、エイズとの闘いは飛躍的に進展した。有効な検査や治療・予防薬が開発され、それらの使用も劇的に拡大した。「米大統領エイズ救済緊急計画」や「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」といった支援の枠組みが資金を提供したおかげだ。

しかし社会的な烙印──HIV感染者は支援に値しないという見方は今もはびこり、私たちを苦しめている。

私は恥の感情も、それがどんな影響を及ぼすかも、身をもって知っている。ゲイであることが罪と見なされる時代に育ったからだ。私は自分の性的指向を隠そうとはしなかった。だがシンガーソングライターとして成功したにもかかわらず、薬物依存に陥ったのは、自分は愛される資格がないと思い込んでいたからだ。ゲイとか依存症患者といったレッテルではなく、私という人間そのものを見てくれる人たちが周囲にいなかったら、とうに命を絶っていただろう。

自殺、メンタルヘルスの不調、アルコールや薬物依存、HIVの感染リスク。こうした問題は全て、恐怖や憎悪、差別や排除によって悪化する。

エイズは医療アクセス問題
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