そんなわけだから、インドのネットユーザーのコメントは正しい。

 インドの「経済時報」には「中国の鉄道は、パキスタンとでも協力してろ」というネットユーザーの声を掲載していると、中国大陸のネットにはある。

 また中国大陸のネットユーザーの中には「二人の犬が夫婦で外遊しては、世界中に大金のばらまき競争をしている」というものや「ああ、良かったじゃないか、日本がゲットして。だって、僕らの年金が、それだけ減らされないということになるんだから、日本に払わせておけよ」というものもある。

 あるいは「中国は負け惜しみばかり言ってないで、自国の技術を本当にレベルアップしてくれよ」とか「習大大(習おじさん)は、外国にばらまく金があるのなら、北京で呼吸ができるようにしてくれないかな」といった類の政府を皮肉る書き込みも散見され、まだ削除されていない。

日本にとっては分岐点――「龍と象の争い」が後押し

 インドネシアの高速鉄道建設では中国に持っていかれ、機会を逃した日本だったが、今般の安倍首相の成果は評価に値する。

 なぜなら中国の「一帯一路」計画において、もしインドまで中国に持っていかれたとすると、日本の今後の経済発展空間においても、また安全保障の面においても、日本には非常に不利になっただろうことが考えられるからだ。

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 インド側からすれば、たしかにモディ首相は習近平国家主席に満面の笑みを送り、熱烈歓迎し、また西安詣でまでしているが、しかしなんと言っても中印両国の国境線における領土紛争は絶えたことがない。表面化しないよう、また激化しないように互いに抑えてはいるものの、モディ首相の本音は、やはり「自由主義陣営」にいて、中国に呑まれないようにするということにあるだろう。

 今般の日印首脳会談では、インドとアメリカが行っている海軍の共同訓練に、日本の海上自衛隊が恒常的に参加することを確認し合ったとのこと。それは明らかに中国の南シナ海における海洋進出を牽制するためと解釈できる。

 インドはその意味で「チャイナ・マネー」を選ばず、自ら独立して歩む「自由の道」を選んだことになる。

 インド人のIT分野における能力は非常に高い。

 カリフォルニアのシリコンバレーの大半を占めているのはインド人と中国人だ。そのためICチップをもじって、Indian-Chineseを「IC」と称する。インドはまた、チャンドラセカール(1910年~1995年)という著名な天体物理学者を生んだこともある国だ。頭脳の優れた逸材が多い。