欧州中央銀行(ECB)と欧州連合(EU)保険規制当局は18日、気候変動災害による損害への備えとして域内企業や個人に保険への加入を促す制度の整備を提案した。

現在、保険がカバーする自然災害による損害は4分の1にとどまる。気候変動災害がより頻繁に、より深刻になるにつれて保険カバー率は低下することになる。

ECBと欧州保険・職業年金機構(EIOPA)は共同論文で、EU全域をカバーする官民再保険スキームを立ち上げ、気候変動関連災害への補償を拡大し、民間のリスクをプールするよう提言した。同スキームは、保険会社や各国の保険制度からのリスクに基づく保険料を財源とする。

また被災した公共インフラの復旧を支援するため、加盟国が資金を拠出した新たな基金の創設も提案した。基金の支援を受けるためには、気候リスクを最小限にする施策を実施していることが条件になる。

論文は、気候災害の頻度が高まりによって保険料の上昇が予想され、低所得世帯が保険に加入しにくくなると指摘。低所得世帯の保険加入率が低下しているとし、自然災害発生時の政府による支援の必要性を主張した。

ECBのデギンドス副総裁は、「自然災害による経済や金融システムへの影響拡大を抑えるために気候災害保険の利用を拡充する必要がある」と指摘した。EIOPAのペトラ・ヒルケマ委員長は、気候変動に起因する損失から企業や人々を守るために、保険カバー不足問題への対処が不可欠だと述べた。



[ロイター]
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