国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは5日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザでの戦闘においてパレスチナ人に対しジェノサイド(民族大量虐殺)を行ったとして非難する報告書を公表した。

イスラエル外務省の報道官は、報告書について「全くの偽りで、うそに基づくねつ造だ」とXに投稿し、強く否定した。

 

アムネスティは、数カ月にわたりイスラエル当局者の100以上の発言や事件を分析した結論だと主張。ナチスによるユダヤ人大量虐殺を受けて1948年に採択されたジェノサイド条約で禁止されている5つの行為のうち、殺りく、深刻な身体的・精神的加害、集団の物理的破壊につながる生活環境の意図的な破壊、の少なくとも3つがイスラエルにより行われたと結論付けた。

アムネスティのイスラエル支部は、ジェノサイドが行われているとは考えていないものの、ガザでの殺りくと破壊が「恐ろしいレベル」に達しているとして人道に対する罪の可能性について調査するよう呼びかけた。

アムネスティ・インターナショナルのカラマール事務局長はオランダのハーグで記者団に対し、今回の結論は「軽々しく、政治的もしくは選別的に」導かれたものではないとし、「半年間にわたる綿密な調査の結果、ジェノサイドが行われていることに疑いの余地はない」と語った。

ガザ保健当局によると、2023年10月以降のイスラエルの軍事作戦で4万4500人以上のパレスチナ人が死亡し、多数の負傷者も出ている。

一方、イスラエルは、ジェノサイドを繰り返し否定し、越境攻撃を仕掛けたイスラム組織ハマスに報復する権利があると主張している。

ガザで続く戦闘を巡っては、国際刑事裁判所(ICC)が今年11月下旬、人道に対する罪の疑いで、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相に逮捕状を出している。



[ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
「AIに使われるか、AIを従えるか」 一橋大学が問う、エージェント時代の「次世代エグゼクティブ」の条件
「AIに使われるか、AIを従えるか」 一橋大学が問う、エージェント時代の「次世代エグゼクティブ」の条件
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます