──日本は世界でもランサムウェア攻撃の標的になっている上位国だ。サイバー警察局・サイバー特別捜査部の能力の高さを踏まえると、企業や組織は、警察に相談すれば身代金を払わずとも解決できる可能性はあるのか。

そのとおりです。被害に遭ったら、ぜひ警察に相談してほしいです。まず、暗号化されてしまったデータを復号できる可能性があります。また、どのランサムウェアグループによる犯行なのかを知ることができれば、その手法や次なる攻撃の有無、手口、対抗手段等のアドバイスもできます。

サイバー攻撃を受けた被害法人・組織は、セキュリティベンダーなどと一緒に対応に追われているでしょうから、その中で警察の捜査の都合を前面に出して被害法人・組織の足元の作業に悪影響を与えないよう気をつけるようにと相談を受ける警察の現場を指導しています。ですので、安心して相談してほしい。

寄せられた相談から得られた情報は、国際連携の枠組みを通じて、被疑者検挙にも役立てられることになります。こういった意味からも警察にご協力いただけると幸いです。

サイバー攻撃は世界中で起きています。私たちは犯行のデータを蓄積して、国際連携の中で各国がそれぞれのデータを持ち寄って、世界各国が一丸となって分析を行うことで、被疑者の特定やさらなる対策に活かそうと日々戦っています。


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棚瀬誠

2000年、警察庁に入庁。総務省自治税務局や財務省主計局、法務省刑事局などの出向経験のほか、フランスのICPO(国際警察刑事機構=インターポール)Head of Financial Crimes Unit、兵庫県警察刑事部長などを経て、12月10日現在、警察庁サイバー警察局サイバー捜査課長

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