過激派入植者の思想を考えれば、国家や軍に敵対心を抱くのは不思議ではない。彼らのほとんどは、宗教極右または宗教シオニストと呼ばれる。

世俗派のシオニストや超正統派とも異なり、イスラエル建国から数々の戦争を経て現在に至る過程を「救世主(メシア)」が訪れる前兆だと捉えているため「メシア主義者」とされる。

特にパレスチナ自治区ガザとヨルダン川西岸を神から与えられた土地と強く信じ、その土地を守り抜くことは神からの命令と考える。そのため、土地を守る、入植地を拡大する、といった活動を阻害する者を全て「敵」と見なす。

ユダヤ教指導者ラビにもさまざまな立場があるが、右派に影響力を持つラビはかつて、「忠誠は『国家』ではなく『イスラエルの地』にささげるべきだ」と説いた。ラビン殺害の実行者イガル・アミルがその動機について「彼がこの国をアラブ人に渡そうとしていたからだ」と話したことに通ずる。

この30年間で国際法に違反する入植地に暮らすイスラエル人は70万人まで膨れ上がった。全員が過激派なわけではないが、もちろん過激派の数も増えている。

ネタニヤフ政権で財務相を担う宗教極右の閣僚ベツァレル・スモトリッチは過激派の親玉のような存在で、入植者を100万人にまで増やすと公言。宗教極右は文字どおり政治的な影響力を増している。

イスラエルに根差す深い分断
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