美しい「革命」より政治の知恵
本誌および本誌ウェブ版でロンドンから発信を続けているジャーナリスト・木村正人氏のリポート、そして紹介されているスピーチ動画を見ると、最近の彼女の主張は明らかに「反資本主義」のそれになってきたことが分かる。
原発に対しても、条件付きで稼働に賛成する立場を明らかにしたことも報じられているが、かつてほどメディアが視線を注ぐことはない。メディアも市民も自分たちの主張に都合がよければ味方と見なし、都合が悪ければ無視する傾向はどこの国でも似通っている。
当たり前の話だが、彼女は一人の運動家であり、世界の救世主ではない。一人によって解決することができるような単純な社会問題もまた存在しない。
若者による「革命」の物語は美しいが、それはほとんどと言っていいほど不可能な道だ。少しずつであっても、前に進む合意を取り付けることこそが政治の知恵である。その意味では、COP27の成果は決して小さいものではないように思える。