増える「未来を考える場」

近年、バックキャスティング、シナリオ・プランニングやホライズン・スキャニング、デザイン思考といった戦略的な思考や手法がビジネスの現場、さらには教育の現場に取り入れられる機会が増えている。本書の翻訳・刊行の必要性を感じたのもそうした背景からである。本書は、未来という漠然として掴みどころのない対象について、深く学ぶための方法や知識を入門書として広く扱っている。

例えば、


「カオスと複雑性の理論が予測や予測に持ち込んだ激変から生まれたワイルドカードとブラックスワンという概念について触れておきたい。「ワイルド・カード」と「ブラック・スワン」は、未来学者が、可能性は極めて低いが、発生すれば重大な影響を及ぼすであろう予期せぬ未来の出来事を特徴づけるために使う2つの異なる用語である」(本書『未来学』より抜粋)

といった具合にである。

未来学や未来洞察について、日本での普及や推進の機会は増えつつある。日本総合研究所やNTTデータ経営研究所、野村総合研究所などのシンクタンクのほか、中央省庁もそうした未来学なるものについての勉強会などを開き、学びの場が広がっている。

日本総研は2月に「未来をつむぐ対話:世代を超えて描く、2045/55の社会」と題するワークショップを開催し、世代間格差を超えて「ありたい社会像」を探る。NTTデータ経営研究所は未来を描く手法に関する実践的なプロセスを「未来デザインハンドブック」にまとめ、公開している。

『未来学 人類三千年の〈夢〉の歴史』
出典:NTTデータ経営研究所「未来デザイン手法のバリエーション」
「未来はユートピア的な場所なのか?」
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