これまた「酒池肉林」感の漂う供応接待

最後が、「なぜ接待が明るみに出たのか」という問題だ。

端緒となった週刊文春3月11日号は、NTT代表取締役社長と執行役員が2020年6月4日、国際戦略局長と山田真貴子総務審議官(当時)を相手に行った供応接待の様子を詳細に報じている。

ドン・ペリニヨン(1本3万8000円)による乾杯に始まり、福岡・志賀島産のウニ、琵琶湖の天然アユ、短角牛フィレ肉のポワレ、シャトー・マルゴー(1本12万円)等が供されるという、「酒池肉林感」漂う供応接待−−。その様子が事細かに、まるでその場を見てきたかのように描写されているのだ。

気になるのは接待の場所が、麻布十番にあるNTT関連会社が運営する「会員制」レストランであり、しかも「個室」だとされている点だ。

東北新社が情報流通行政局長(当時)に接待を行った六本木の小料理屋は、記者が客として隣席に陣取ることができた店だった。そのため、宴席での会話が録音された。放送・通信分野における規制改革の旗手の一人であった小林史明元総務政務官について同局長が「一敗地にまみれないと、全然勘違いのままいっちゃいますよね」と言い放つ音声データが公開され衝撃を与えたことは記憶に新しい。

義憤に駆られた内部告発か、「政治的な仕掛け」か

今回は、それと異なり、「当事者」以外の者が立ち入れる場所ではおよそない。とすると、料理の品目や会計の詳細を含んだ今回の情報は、当事者または内部関係者による「流出」ではないかという推測が働く。

それが義憤に駆られた「内部告発」なのか、それとも何らかの思惑があっての「政治的な仕掛け」なのかは、現時点では不明である。いずれにせよ、今回の総務省報告は中間報告に過ぎない。3月15日にはNTT社長が国会に参考人招致されることも決まった。今後、NTTあるいは他の企業(利害関係者)による接待の事実が更に明らかになる可能性も残されている。

官民癒着の真相解明と綱紀粛正の度合いによって、今回の接待事件が一過性の「飛び火」に終わるか、それとも、コロナ禍で窮屈な生活を強いられている国民の怒りに火をつけ、政権与党を巻き込んで燎原の火の如く燃え広がる「業火」となるか、命運が分かれることになろう。

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