<「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」とツイートし、高市氏の講演で聞いたと述べた三重県議は発言を撤回、当の高市氏も曖昧な否定で収めようとしているようだが、その真意はフェイクニュースによる世論操作だったかもしれず見逃せない>

10月2日、三重県議で自民党に所属している小林貴虎議員が、自身のTwitterに「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が(政府の調査で)出ているという」と投稿し、その根拠は高市早苗経済安全保障担当大臣の発言だと述べたことで、大きな衝撃が走った。高市大臣はその発言はしていないと述べるが、他に聞いた人物の証言もあり、疑惑は全く解消されていない。

「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ているという」という、荒唐無稽な陰謀論かつ排外主義を扇動する発言が現職大臣の口から出たとすれば大きな問題だ。

小林貴虎議員のツイートによれば、「国葬反対8割大陸」の根拠は「政府の調査結果」であり、高市早苗・経済安全保障担当大臣の「講演で伺った話」だという。高市大臣は、小林議員のTwitter投稿があった10月2日に、名古屋市内で行われた日本会議の会合「日本会議東海地方議員連盟設立総会」で講演していたことが分かっている。

小林貴虎議員によって名前が出された後、高市早苗大臣の公式アカウントには事実関係を問うリプライが殺到した。それを受けて高市大臣は「政府の調査」については自身のTwitterで否定した。しかし、この時点では発言自体の有無については言及していなかった。

小林貴虎議員は10月6日に会見を開き、自身の発言を「撤回」した。その翌日、高市早苗大臣は記者団に対し発言を否定するとともに「そもそも大陸という言葉を私は使わない」と述べた。

疑惑は解消されぬまま

しかし本人たちが後から否定したとしても、発言したという疑惑がなくなるわけではない。発言の証拠が他にもあるからだ。たとえば2日の講演を聴いた別の参加者が、小林議員が聞いたものと同様の内容を高市大臣がしていたという報告をTwitterで行っていたことが分かっている。当該のツイートは削除されているが、スクリーンショットされたものが出回っている。「「国葬儀反対」のツイートの8割が支那発だった、と聞いた。なるへそ!!」というものだ。この内容面での一致は偶然とは考えられない。

さらに、もし小林議員のツイートの根拠が高市議員ではないとするならば、彼は一体誰の何を根拠にしたのだろうか。もし高市議員の講演を聴いて、その内容を誤解したのだとすれば、元々の発言は何だったのだろうか。小林貴虎議員は記者会見で発言を撤回したが、なぜ誤ったツイートをしてしまったのかについては、ついに説明することはなかった。

「大陸」という言葉は使わない