グローバルノースの民主主義国の人々は民主主義ではない国を「遅れている」と考えることが多いが、実態としては民主主義から権威主義へと変化した国の方が、権威主義から民主主義へ変わった国よりもはるかに多い。
多くの国が民主主義化を経て、非民主主義化しているのだ。民主主義の状態を示すデータと指標を公開しているV-Demでは、民主主義から権威主義への変化をベルターン、権威主義から民主主義への変化をUターンと呼んで分析している。
2024年の段階で、ベルターンの国は27カ国、Uターンの国は12カ国だった。2倍以上の開きがあるうえ、民主主義と権威主義の国の数では権威主義の方が多いのだから、それぞれの統治体制を母数として変化した国の割合にすると、この差はさらに大きくなる。
そもそも以前は民主主義国の方が多い時代があり、いまはそうではないのだから、「民主主義国が非民主主義になった」ことが原因なのは明らかだ。遅れているから民主主義のレベルに達していないのではなく、民主主義を経験し、なんらかの理由でそれを捨てたのである。
それでもいまだにグローバルノースの国々では民主主義が世界の主流、標準と思い込んでいる人々は少なくない。そのため実態としては非民主主義的な意見の方が多数を占めているにもかかわらず、グローバルノースの民主主義が主流という前提に立った発言を行う人が後を絶たない。