「あきれるほど寛容」という米メディアの酷評

興味深いのは訳者が記しているように、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、CNNといったメディアからは「あきれるほど寛容」、「ストーンは甘い球を投げつづけ、プーチンがそれを粛々と打ち返すだけ」という厳しい批判が出ていることだ。多くのジャーナリストは同じような感想を抱くだろう。オリバー・ストーンの対象に寄り添う危うさはそれほど明白なのだ。

言葉を引き出すため、インタビューである程度の同調はあってもいい。だが、本や作品に落とし込む時点では、距離を取る必要があった。特に強大な権力者を相手にするときは。本書の失敗から得られる教訓は、あまりにも凡庸なものしかない。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 進化する世界の鉄道
2026年10月20日号(10月14日発売)は「進化する世界の鉄道」特集。

鉄道黄金期を迎えたヨーロッパを旅する――コリン・ジョイス(ジャーナリスト)/豪快かつ特異なアメリカ大陸鉄道史/膨張する中国鉄路の野望/「夢の超特急」リニアの現実/韓国、アフリカ、インド……世界を駆ける鉄道新事情

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます